功利主義と不動産



物事の判断基準を損得で判断するコメンテーターが非常に増えています。

「それって得ですか?そんじゃないですか?」

「得がないんだから、そんな制度は止めてしまえばいいのに!」と声高々に主張する方が非常に増えています。

 

損と得で物事を判断するのは非常に利口に聞こえる。

スマートな気もする。

 

その結果、社会が世界が功利主義判断を下すようになれば

世の中には無駄なものが無くなり、もっと大事なことに時間や私財を投入できると主張しています。

 

でもね

世の中には損得で判断できないことがいっぱいあるんです。

損得で判断する対象にしちゃいけないものがいっぱいあるんです。

 

例えば

文化、伝統、歴史、愛そして命。

 

これらは損得で考えたら多くは“不要”と分別されてしまいます。

伝統芸能なんてものは、自国のものでも現代の人には理解されないものばかりです。

 

“能”を一回も見たことがない日本人は いっぱいいるはずです。

これを「能は今の日本にいるかな?」とか「面白いかな?」とかだけで判断してはいけない対象なんです。

 

功利主義の損得判断は非常に利口そうだけど

大事なもの非常に見落としていることに気付かない。

それが功利主義の限界なのかなと思います。

 

特に失ってから、その存在の大きさに気付くことに対して

非常に見落としがち。

 

 

その派生として

よく議論される不動産は一生賃貸と売買どっちが得?損?の議論も実は非常にナンセンスなんです。

 

先日もあるメディアで取り上げられていました。

頻繁に取り上げられる題材ではあるんですが、毎回中身が薄っぺらくなるんです。

薄っぺらくなる一番の理由は家に住む人の“気持ち”がまったく考慮されていないからなんです。

 

家を購入するのは損か得かと言えば損です。

一生賃貸の方がデータ的にはお得となります。

 

でも持ち家だから味わえる恩恵が実に多い!

模様替えも好きにできる。子供が家で遊んで壁に穴を開けたって、それは家族の思い出になる。

大きな音を出したって良い。楽器も演奏できる。走り回っても良い。

家にまつわることが全て家族の財産になります。

 

もちろん、賃貸でも家族の財産はいっぱいあります。

でも持ち家だから気兼ねなく、のびのびとできることが実に多い!

 

これら功利主義者の損得勘定には一切考慮されていないんです。

だからメディアでは賃貸の方が得だと言っていても、家を購入される方は決して0にはならないんです。

 

現在、功利主義者の代名詞みたいな方が何名かyoutubeなどでバンバン配信していますが

おそらく消えていきます。

 

先ほども触れたように

文化、伝統、歴史、そして命に関しては損得勘定をぜったいにしてはいけない対象なんです。

 

でもこれらに触れてきている功利主義者が炎上しはじめました。

今後も定期的に炎上するでしょう。

これらの画題でないときは斬新な切り口で面白く話をするのは良いんですが

題材が変わった時はそれ相応の対応をしないといけません。

 

それを分からないで同じように切り込んで話しちゃうのが、やっぱり良くないんです・・・

 

これからは愛のある功利主義者がいると良いんですけどね(^<^)